病状の告知を受ける患者の権利
ポイント
- 医療事故や医療制度、医療倫理など、検索キーワードを探すのが難しそうな分野では、裁判要旨などを使って「ゆるふわ検索」を行うのもお勧め。
- より精度の高い検索のために、見つけたキーワードを使って論文検索機能で検索する。
検索方法
- ゆるふわ検索で文章を入力して検索し、検索結果に付与されているシソーラス用語から関連する用語を選びだす。
- 選びだした用語を使って論文検索を行う。
①ゆるふわ検索で文章を入力して検索し、検索結果に付与されているシソーラス用語から関連する用語を選びだす
ゆるふわ検索ではある程度長いテキストを入力することができるので、裁判の判例に関する文章を使って検索することもできます。
判例には、医療事故のみならず医療制度や医療倫理など、検索キーワードを探すのが難しそうな分野が多くあるので、そういった分野の論文を探したい場合の検索方法のひとつとしてお勧めします。
今回は、「病状の告知を受ける患者の権利」に関する論文の検索を行うために、最高裁判所裁判集に掲載されている以下の判例の裁判要旨を使ってみます。
「医師が末期がんの患者の家族に病状等を告知しなかったことが診療契約に付随する義務に違反するとされた事例」 (最高裁判所第三小法廷判例 平成14年9月24日 集民第207号175頁)
ゆるふわ検索では、検索ボックスに文章を丸ごと入力して検索を実行します。
※判例を使う場合、全文を入力すると長すぎることや裁判手続きに関する内容が含まれることがあるので、裁判要旨があればその文章を使うのがお勧めです。
検索結果一覧で表示された医中誌データに付与されているキーワードを確認してみると、例えば以下のように関連しそうなキーワードを様々見つけることができます。
- 患者の権利擁護
- 末期患者
- 腫瘍(または、もっと具体的な腫瘍名など)
- 病名告知
- インフォームドコンセント
- 真実の開示
- 医療関係者の態度
- 医療従事者-患者関係
- 医療従事者-家族関係
- 看護職の役割
- 看護倫理
- 死への態度
②選びだした用語を使って論文検索を行う
より精度の高い検索を行うため、見つけた用語を使って論文検索を行います。
また、見つけた用語のうち「看護倫理」だと看護分野に限られてしまうため、医師(またはその他の医療従事者も含む)の倫理に関する用語が無いか、シソーラスブラウザで調べてみると、「看護倫理」の上位語に「臨床倫理」という用語がありました。今回はこれを使ってみます。
今回は「病状の告知を受ける患者の権利」を調べたいので、以下のキーワードを使うことにします。
- 患者の権利擁護
- 病名告知
- 真実の開示
- 医療関係者の態度
- 医療従事者-患者関係
- 臨床倫理
がん患者に絞りたい場合は「腫瘍」、患者家族も含める場合は「医療従事者-家族関係」、医療行為の事前説明について含める場合は「インフォームドコンセント」など、詳しく調べたいテーマによって用語をアレンジしてください。
これらのキーワードを全て検索し、「病名告知」と「真実の開示」の検索履歴をORで履歴プラス検索を行います。
「医療関係者の態度」「医療従事者-患者関係」「臨床倫理」の検索履歴をORで履歴プラス検索を行います。
OR検索で作った履歴のグループと、「患者の権利擁護」の検索履歴を選択し、ANDで履歴プラス検索を行います。
判例のほかにも、例えば医療安全に関する情報であれば、日本医療機能評価機構や医薬品医療機器総合機構(PMDA)などが公開している情報のテキストなどをもとに検索してみるのもお勧めです。
また、ゆるふわ検索で見つけた用語を他のデータベースの検索にも使ってみるのも良いかもしれません。
参考
- 論文検索:マッピング
- 論文検索:絞り込み(絞り込み条件)
- 論文検索:履歴プラス検索
- 裁判所ウェブサイト:最高裁判所判例集「事件番号 平成10(オ)1046」https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=76088